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取引戦略のコピーについて

取引は非常に魅力的で面白いものであり、自分で取引を行う場合でも、他人の取引戦略をコピーする場合でも楽しむことができます。この記事では、取引初心者の方々に向けた、取引をコピーする投資家として何を期待すべきか、最初に取るべきステップについて詳しく説明します。

コピー取引を行う理由

コピートレードに興味がある人の中には、今すぐ始めるべきだと考えている人もいれば、コピートレードに対して疑問を持っている人もいるかもしれません。理解を十分に深めると共に、コピートレードをお勧めする理由をいくつか挙げてみます。

優れたトレーダーになるには経験と学習(知識)そして努力が必要です。他の人の取引戦略をフォローし、その人のスキルを活用することで、すべての苦労を省略し、自分の資本を他人の努力に投資することができます。ある投資家がその技術と努力によって会社を買い、利益の分け前を得るのと同様に、コピートレードもよく似た仕組みとなっています。

手軽で簡単

取引は必ずしも簡単ではありませんが、成功すれば報酬は得られ、その報酬は実際に使えるお金となります。コピートレードは取引に必要な労力を省くことができ、自分の資本を他人の専門知識に預けることが可能な取引方法です。

投資家は、気に入った戦略を見つけたら自身の口座で「コピー」ボタンをクリックするだけで、簡単に取引を始めることができます。

コピートレードは非常にシンプルで、自分で市場分析やトレードの決定を行う必要はなく、投資家が維持に必要な努力はほとんどありません。

レバレッジスキルと知識

取引について、70%から90%の取引口座が損失を出すという統計を聞いたことがあるかもしれません。この数字をもう少し詳しく説明すると、統計には実際に利益を上げているプロのトレーダーや真剣なトレーダーの口座以外にも、次のような口座が含まれています。経験の浅い新規トレーダーの口座、訓練は受けたものの実際の市場で取引経験がない新規トレーダーの口座、ただ単に取引を試してみる人、経験はあるが心構えが悪い人、財政的なストレスやその他のストレスにより誤った決定をする人、EAや戦略をテストするためのテスト口座などです。

これを他の業界、例えば医療業界で考えると、努力、訓練、経験、知識が不足している場合、ほとんどの人が試験にさえ合格できないでしょう。それに比べて取引では、誰でも誰でも簡単に参加することができます。しかし、その一方でほとんどの人は必要な努力や学習、訓練を怠り、経験を積むことに消極的なのです。

もし専門家にお金を投資し、その人たちの仕事の成果に応じて利益を得ることができたら、どうでしょうか?コピートレードでは、市場で利益を上げ、経験を積んでいる優秀なトレーダーを口座の統計から確認し、投資することで、投資家は他の人の力を活用して、利益を得ることができます。

コピートレードに向いている人

コピートレードは、資金に余裕のある人にとっては素晴らしい選択肢です。

誰かの戦略をコピーすることで、自分の仕事、キャリア、ビジネスなど、自分が得意とすることに専念しながら、戦略を通じて市場に投資することが可能になります。 

また、トレーダーにとっては、自分の戦略や市場とは異なる多様なアイデアや市場への分散投資も可能になるでしょう。

コピートレードの利点

利益の増加に加えて、取引には見過ごされがちなさまざまなメリットがあります。FXTでコピートレードを行うことで、以下のような潜在的メリットを得ることができます。   

  • 流動性のある現金へのアクセス
  • 戦略とリスクに応じた資産の現金保有
  • レバレッジと効果的な購買力へのアクセス
  • 市場の動きの部分的な捉え方と経済変動へのリスク軽減
  • 市場が上昇または下降している場合のロングとショートの機会
  • 不動産や株式より低コスト、低手数料
  • 利益の上昇するたび、複利効果の獲得
  • チャートの作成、分析、リスク管理に役立つソフトウェアへのアクセス

リスク配分設定

取引戦略を見つけて「コピー」をクリックすると、口座のリスク許容範囲の設定が変更されない限り、デフォルトのリスク配分方法が既存の取引と将来の取引に適用されます。利用可能なリスク配分方法をよりよく理解するために、この記事では各方法に関する例とその解説をします。

デフォルト設定

初めて戦略をコピーする場合、デフォルトのリスク配分は「有効証拠金×リスク比率」で、リスク比率は1に設定されています。これはコピー元口座とコピー先口座の証拠金、及び手動で設定したリスク比率を考慮したものです。

投資家が保有するコピー先口座の有効証拠金が10,000ドルで、戦略プロバイダーのコピー元口座の有効証拠金が100,000ドルである場合、その差は10,000/100,000=0.10となり、戦略プロバイダーの1/10となります。デフォルトのリスク比率は1に設定されているため、調整が可能な取引量(ロット数)は戦略プロバイダーの取引の10倍以下となります。

そのため、戦略プロバイダーの取引量が5の場合、投資家が口座で行われる取引の取引量は0.50ロット、つまりコピー元口座の取引量の1/10になります。

この方法は、コピー元とコピー先の両口座間の有効証拠金の差額を使い、ポジションを保有するための取引量を決定します。

リスク比率の調整

リスク比率はデフォルトで1に設定されているため、設定の変更しない限り、有効証拠金の差を計算した後にそれ以上の計算を行う必要はありません。リスク比率を変更することは、投資家の取引量を変更するための追加のレバレッジを意味します。リスク比率を上げると取引ロット数が増え、下げると取引ロット数は減少します。

先ほどデフォルト設定と同じ例を使い、0.1(戦略プロバイダーの取引量の1/10)を調整してコピー先のロット数がどう変化するかを見てみましょう。

リスク比率を上げる

設定比率を2とした場合、計算式は倍となり、有効証拠金の差にリスク比率を掛けた値が、0.1から0.2に変化します(10,000 / 100,000 x 2 = 0.2)。取引量を計算する際は、5ロットに有効証拠金とリスク比率の計算結果である0.2を掛けることで求めることができ、この場合、戦略の取引ロット数の20%となり、5ロットの取引はコピー先口座の場合、1ロット(5 * 0.2 = 1)になります。

リスク比率を上げるのは、収益性の高い戦略がありながらも、その戦略のリスク許容度が投資家が求めるものよりも低い場合です。そのとき、投資家はリスク比率を上げることで取引リスクを大きくすることができます。

また、リスク比率を上げる際には、最大ドローダウン、日次ドローダウン、証拠金レベルや自身のリスク許容範囲などに注意することが重要です。

リスク比率を下げる

戦略プロバイダーの最大ドローダウンが10%であるのに対し、投資家は最大ドローダウンを5%に抑えてリスクを下げたいと考えている場合、コピー先口座の取引量を半分にします。リスクを半分にするために使用するべきリスク比率はデフォルトの1ではなく0.5となり、これにより取引ごとのリスクは半分となります。

コピー先口座の有効証拠金が10,000ドル、コピー元口座の有効証拠金が100,000ドルである時、リスク比率変更前は0.5ロットでしたが、それを0.6(有効証拠金の差の60%)に設定した場合の適用される取引ロット数は0.5ロットではなく0.3ロットとなります。

計算方法

リスクの計算は、最小取引単位またはその増加する値に基づき、最も近い下位を切り捨てて計算します。例えば、最小取引単位が0.01である場合、0.025は0.02となり、小数第三位の0.005を切り捨てて計算します。

これはリスクを減少させるためのものなので、値を0.03まで増加することはしません。口座が大きくなるにつれて、リスクへの割合は低減します。 

その他配分方法

デフォルト設定は事実上、有効証拠金の割合による方法であり、上記と同じ例の場合、プロバイダーからコピー先の口座に基づく値は10%または0.1となります。これは、他の方法とも非常によく似ていますが、差額とリスクを測定するために異なる値のみを使用します。

以下の画像は、残高、有効証拠金、余剰証拠金が表示されたツールボックスです。これは、残高、有効証拠金、余剰証拠金のいずれかを使用して、戦略プロバイダーのコピー元口座と投資家のコピー先口座の間の差を調整します。おおまかな目安としては、コピー元口座が大きい場合、リスクを高めない限り、コピー先口座の取引量は少なくなります。コピー先口座が大きい場合は、リスク比率が1より低く設定されていない限り、コピーされる取引量は戦略プロバイダーの口座よりも大きくなります。

残高・有効証拠金・余剰証拠金をMT4/MT5で確認する方法

以下の画像は、通常、MT4/MT5プラットフォームの最下部にあるツールボックスまたはターミナルに表示されており、ツールボックスの「CTRL+T」を押すことでオン/オフを切り替えることができます。次に、MT4/MT5のプラットフォームにログインし、ツールボックス内の「トレード」タブにいることを確認してください。 

式の構成要素

計算式には、基本的に情報の出所(残高、有効証拠金または余剰証拠金を使用するか)と投資家のコピー口座の取引数量を増減させるリスク比率の2種類の情報が含まれています。これは、戦略プロバイダーの口座規模と投資家のコピー口座規模の差を正規化し、残高や有効証拠金、余剰証拠金に相対させるために取引量を標準化します。ロット数の計算が正規化されると、投資家はそのリスク比率を使用して、リスク許容度や個人的要件に基づいて、望ましいリスクレベルを調整することができます。

ロジック

戦略プロバイダーの口座と投資家のコピー口座を比較して取引量を計算する場合、数字を使い比較します。これにより、口座間の差を正規化し、実質的なリスクが同じか非常に似たものになります。

また、各リスク配分方法に対してリスク比率を使用する方法もあり、投資家に合わせた取引量を適用することができます。これは投資家がリスクを調整するために手動で変更できる数値です。

種類

リスク配分方法においての種類とは、戦略プロバイダー口座と投資家のコピー口座の比較にどの数値を使うのかを指し、残高に基づきリスク配分方法を使用する場合は、コピー口座の残高金額が使用されます。有効証拠金や余剰証拠金に基づくリスク配分法も同様に、それぞれ有効証拠金金額と余剰証拠金金額を使用してリスクを計算します。 

つまり、各計算式は戦略プロバイダーの口座と投資家のコピー口座の両方から口座を比較する項目を1つ選択する際に、残高、有効証拠金、余剰証拠金のいずれかを選び使用するということです。これは単純にその数値(残高、有効証拠金、余剰証拠金)が取引量の計算に使用されることを意味し、リスク比率を設定の適用前に使用されます。

それぞれの効果をよりよく理解するために、各数値に何が影響しているのか少し考えてみましょう。

残高に影響する要素

入金、出金、決済済み取引

残高は、入出金や決済済み取引によって変化します。長期間ポジションを保有する場合など取引が未決済のままである間は、利益が出ていたとしてもその恩恵を受けられない可能性があります。

有効証拠金に影響する要素

入金、出金、決済済み取引、含み益、含み損

有効証拠金は、未決済取引の増減によって変化します。利益は有効証拠金の値を大きくし、これらの取引が未決済である間に追加取引で取引されるロット数を増加させます。また、損失は有効証拠金の値を小さくし、これらの取引が未決済である間に追加取引の取引量を減少させます。

余剰証拠金に影響する要素

入金、出金、決済済み取引、含み益、含み損、保有中ポジションの必要証拠金

有効証拠金と非常によく似ていますが、余剰証拠金は含み損益によって変動しますが、ポジションを保有するための必要証拠金も考慮され、有効証拠金の数値からそれらを引いた余剰証拠金、つまり新らしくポジションを建てるために使える金額を算出します。

リスク比率

リスク比率は投資家が設定する数値で、計算式の結果をさらに乗算または減算し、投資家のコピー口座のリスクを増減するために使用されます。

これは、高品質の戦略をコピーしたいが、投資家のリスク許容範囲に対してリスクが高すぎる場合、戦略プロバイダーが使用するリスクの0.3(30%)といった低い比率を使用する場合に使用されます。

また、戦略プロバイダーが収益に対して非常に低いリスクで取引しており、投資家が利益をさらに増幅させたい場合にも使用できます。例えば、投資家はリスク比率を3にすることで、適用される取引量を実質3倍にすることが可能です。

リスク比率を考慮しない取引量が1.2ロットであると仮定すると、以下の表はリスク比率から生じる変化を示しています。

リスク比率調整済み取引量
11.2
1.51.8
22.4
56
0.50.6

残高の割合 * リスク比率

残高とは、未決済取引の損益を除いた口座内の資金量です。つまりこの式は、残高金額を使用することで、比較した2つの口座を正規化します。

考慮すべき点は、有効証拠金と余剰証拠金が変化する場合のリスクへの適応についてです。

未決済取引の場合、追加取引のロット数は、各口座の残高に基づいているため同じロット数のままになります。つまり、利益や損失によって有効証拠金が上下に変動しても、取引が決済されるか、入出金が行われるまで残高は変わらないため、取引量も変わりません。トレーダーによっては、既に口座の証拠金を使用していたり、未決済取引の損益を考慮した取引を行いたい場合、新規注文の取引量を調整した方が適している可能性もあります。

また、より多くのポジションが建てられれば余剰証拠金は減少しますが、新規取引のロット数が減少することはありません。

有効証拠金の割合 * リスク比率

有効証拠金は未決済ポジションの損益の価値を考慮するのに対し、残高は決済済みポジションと口座内の資金の価値のみを反映します。つまり、未決済取引に基づき現在の金額を評価する場合にも、有効証拠金の割合で計算した方が安全な選択肢となる可能性があります。 

有効証拠金は口座残高と未決済取引の損益で変動するため、損失が発生している場合、この方法でリスクを減らすことができます。一方、利益を上げている場合は、追加で発注する取引のロット数は大きくなります。

余剰証拠金の割合 * リスク比率

有効証拠金が未決済取引の損益を考慮するのに対し、余剰証拠金は現在未決済の取引を保持するために使用されている証拠金の金額に基づいて追加ポジションのロット数を決定します。

余剰証拠金は、未決済取引の損益を計算に含めるため、有効証拠金及び取引を保有するために使用されている必要証拠金も考慮します。本来、証拠金とは取引を保有するために使用される資金であり、残りは余剰証拠金となります。

余剰証拠金を使用するということは、取引数が増えるほど取引量が減少し、自由な余剰証拠金が少なくなることを意味します。とはいえ、収益性の高い取引によって有効証拠金が増加している場合の追加取引は、同じかそれ以上の取引量になる可能性があります。

この方法は、戦略が一度に複数の取引を始める可能性があり、余剰証拠金が減ることを利用して、新しいポジションを保有する度にリスクを効果的に減らしたい場合に適しています。

固定ロット

固定ロットでの取引方法とは、各取引が固定の取引量で行われることを意味します。選択された固定取引量が0.01であれば、それが各取引のロット数となります。1.0に設定された場合は、それが各取引のロット数です。

取引商品や戦略プロバイダーのリスクレベルに関係なく、同じ取引量を維持したい方にお勧めです。他のリスク配分方法が残高、有効証拠金、または余剰証拠金の差を考慮したリスク変動を提供するのに対し、固定ロットは単純に毎取引を固定のロット数で行うものです。