2024年8月26日の世界の市場概況
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By FXT
- August 26, 2024
- FXT Analysis
今週、外国為替市場は複数の要因により大きく変動しました。ドル指数はここ数か月で最も低い水準まで急落し、他の主要通貨を押し上げました。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がジャクソンホールで利下げを示唆したため、今後の政策方針に関する市場の反応が強く見られました。さらに、カナダの小売売上高がカナダドルの動きに影響を与え、英ポンドはイングランド銀行の金融政策への期待から上昇基調を続けました。
以下、今週の主要通貨の動向についての詳細な分析です。
米ドル:パウエル議長は利下げを示唆
今週、ドル指数は引き続き下落し、1月以来の安値となる100.63で引けました。FRBのパウエル議長は、ジャクソンホールで、インフレが2%に戻るという自信が強まったと述べ、9月に利下げを行う可能性を示唆しました。この発言は、FRBの歴史的なインフレ対策の事実上の終わりを意味し、市場はFRBが迅速に金融政策を緩和するとの期待が急速に高まりました。
USDCAD は、カナダの小売売上高とFRBの利下げ期待の影響を受け、104pips下落して1.3511となりました。カナダドルは今年最大の上昇を記録しました。カナダの6月の小売売上高は前月比で0.3%減少し、個人消費の弱さを示すとともに、カナダ銀行が来月さらに利下げを行う可能性を示唆しました。これがカナダドルに短期的な下支えとなりました。
GBPUSD は、今週も上昇を続け、金曜日には1.31933ドルに達し、2022年3月以来の最高値を記録しました。イングランド銀行が8月に慎重な利下げを行ったにもかかわらず、英国経済の堅調さと粘り強いインフレにより、市場はさらなる利下げに対して不確実性を抱いています。FRBのハト派的な姿勢転換は、英国と米国の経済見通しの格差が拡大するとの期待を生み、ポンドの上昇をさらに後押ししました。
EURUSD は、13ヶ月ぶちの高値となる1.1201まで急上昇し、ユーロはドル安の恩恵を受け、週を通じてUSDに対して上昇しました。ユーロ圏からの経済指標は比較的低調だったのにもかかわらず、ドルの弱さがユーロを押し上げました。また、ECBのラガルド総裁が現在の金融政策を維持する考えを示したことで、ユーロにとって支援材料となりました。
要約すると、以下のようになります。
BTC(ビットコイン)の価格は、週末に上昇しましたが、月曜日に0.3%下落し、63,952.7ドルとなりました。FRBのパウエル議長が利下げを示唆したことで、ビットコインは一時的に大きく上昇しましたが、日本円の強さがリスク志向の市場に影響を与えたため、その上昇が抑えられました。